ウイスキーの仕込み水
ウイスキーにおいて水は穀物や酵母と同じく、重要な原料です。
水の性質によって、出来上がった時のウイスキーの特徴を左右します。
ウイスキー造りでは、ほとんどの蒸留所で天然水が使用されています。蒸留所の立地は、良質な天然水が豊富に得られるがどうかが重要なポイントになってきます。
硬水と軟水
水は含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル含有量によって、硬水と軟水に区別されます。
ミネラル量の指標を硬度といい、日本やアメリカでは1度=1mg/Lとしています。
世界保健機構(WHO)の基準では、水1Lあたり120mg以上含まれていれば硬水、未満なら軟水となっています。
日本では、100mg/L未満で軟水、100mg/L以上300mg/L未満で中硬水、300mg/L以上で硬水という分け方を採用しています。
ウイスキー蒸留所では軟水を用いる所が多いそうです。
理由として軟水は、穀物に浸透しやすく、穀物成分を抽出する働きが大きいからです。
しかし硬水にも長所はあり、酵母の増殖に必須であるミネラルを多く含んでおり発酵を助けるため、硬水を使用している蒸留所も存在します。
ウイスキーづくりにおいて、硬水と軟水どちらがいいのかは一概には言えません。
硬水を使用している代表的なウイスキーは、ジャックダニエル・フォアローゼズなど
軟水を使用しているウイスキーは、山崎・白州・アードベックなどがあります。
水の性質でウイスキーを飲み比べてみるのも面白いかもしれません。
なぜ硬水ができるのか?
天然水は、地上に降った雨や雪解け水が山に浸透し地下水となって湧き出てきます。
山の地下を流れる時、地質に石灰岩層が多いとカルシウムが豊富に含まれているため、硬水となるのです。
欧米の地質では硬水になりやすく、日本は地質的に軟水になりやすいわけです。